夏生とめいちゃん

言葉が貯まったら書いてます。

2016.10.15奈良一人旅

友達とLINEで旅の話がでた。

彼は「今は共有したい気持ち」と言っていて、私は一人旅がしたいと返した。

おつかれさまなの?と聞かれ、そうかもみたいな返事をしたけれど

育児中あるあるの、一人の時間がほしい(豪華版)なのだと思う。

 

そんなやり取りをしていた数日後、きくちゃんから色々考えたんだけど今度の奈良は家族旅行ではなく、きくこさん一人の方が負担が少ないから一人で行ってきたら?夏生とめいちゃんは俺がみるし、なんて想像もしなかった事を突然言われ、急遽一人旅をすることになった。

 

奈良は維新派の日本最後の公演を観るため。

維新派 2016年公演『アマハラ』:奈良 平城宮跡

 

奈良は東京に来てから好きになった場所だ。

もうこれで何度目だろう、5回くらい来てると思う。

 

10.15、始発ののぞみに乗って京都から近鉄に乗り換えて奈良に入る。

今回はなぜか「弁財天」がひらめいて、奈良の弁財天といえば天川村かなぁと思い、色々組んでみたけど厳しく、次点候補として三輪の大神神社から山の辺の道を歩いてみることにした。

山の辺の道は二回目。1回目は桧原神社で諦めてそのまま巻向駅に帰ってしまった。

今回はひとりだし結構いけるんじゃないかな、石上神宮までいけるかな?とかふわふわなプランであるき出した。

 

三輪に9:30頃到着して、まずは大神神社を参拝。

前回かなりしっかり摂社末社も参ったので、今回は狭井神社市杵島姫神社だけお参りする。ここはいつ来ても気持ちいい。いつか三輪山も登ってみたい。

そのまま山の辺の道に入る。

前回も気になった八大龍王弁財天神社・龗神神社の看板が目に止まった。

まだ午前中だし寄ってみようと軽い気持ちで坂道を登ると、とても素敵な風景が目の前に広がり、自分の中にわぁーっと気持ちいい空気が入ってきた。

ここすごい、なんで誰もお参りしないの?と不思議なくらいとても清々しい所で、すぐに「ああ、弁財天。ここに来るって事だったんだ」と腑に落ちた。

 

オカルティックな話で申し訳ないけど、沢山神社にお参りしてると、ふと「あ。ここ。」って場所がある。そんなに沢山あるわけではないし、なんか見えたりなんとかパワーとかは正直よくわからないけど、でも確実にある。

 

大きな池が2つあって、手前の池にあれは桜かな、並木道みたいな三の鳥居からの参道を歩き、途中池からドボン!と大きな音がして大きな魚でもいるのかなーなんて思いながら参道をすぎると、池に沿って少し坂を上がる。

すると浮島のような遥拝所がみえて、二の鳥居とそこに続く参道があり、

その浮島のような遥拝所はまた大きな池が接していて、その奥に華奢なお宮が池の対岸にひっそりと鎮座されていた。

信じられないくらい綺麗だった。そして、とても懐かしいような心穏やかな気持ちなった。

遥拝所の奥には水子供養の地蔵が所狭しと並んでいて、陰になっていたせいかここの陰部を引き受けてるような怖い寂しい感じがしたので行けなかった。

遥拝所も入らずその扉の前で手を合わせて、帰る途中に、またあの華奢なお宮を見つめてしまう。

そしていま、PCでこの文章を書きながらも目をつぶってあのお宮を思い出してしまう。そう、この神社との出会いを記録したくて、この日記を書いてる。

強烈に心刻まれてしまった。たぶん、私が生きてる間にあと何度かお参りするだろうな。

それくらいに心に深く入ってきた場所だった。

 

何故山の辺の道の観光マップに入ってないか不思議だけど、多分何かの理由で意図的に外されているのだろうな、とも思う。

 

この後は延々と山の辺の道を歩く。

音楽も聴かず風景を楽しみながら延々と。

前は桧原神社で諦めた道を、そのまま進む。

途中2つばかり神社があったけど、六キロ先など果てしないので、今回は諦めマップを見て景行天皇陵と崇神天皇陵に行く。

 

山の辺の道はきっちりと道らしい道もあれば、田畑のあぜ道みたいな分かりにくい場所もあり、途中で農作業中の地元の人に道をききながら、まずは景行天皇陵に行き、そこで休憩をして崇神天皇陵を通った時点で十二時半くらいだった。

 

しばらく歩くと木枠の素敵な窓のカフェがあった。さっき景行天皇陵で休憩をしたので入るのに迷ったけど、折角だし入ることして、なんとなくジンジャーエールを頼んで、時間を確認しようとスマホを探したら…ない。

スマホがない!

さっきの景行天皇陵で時間を確認したから、忘れたとしてもそこだ。でもあれから一時間近く歩いてるし現在地からの距離感もルートもわからない!

動揺した私は思わずお店の人に相談すると、なんとタクシーを呼んでもらえることになった。

随分山際だし来れるのか不安な気持ちのままタクシーを待ちながら、何も考えずに飲んだらきっと美味しいジンジャーエールを急いで流し込んでた。

やがてタクシーが来て、おじさんに事情を話していそいで景行天皇陵に向かう。

おじさんは親身になって「見つからんかったら警察行く?まぁ電話やし誰も持っていかへんと思うけど個人情報入ってるしな」とか話してて、頭の中ではすっかり警察署で喪失届みたいなのを書いてる自分を想像しては、だめだ受け入れてはだめ、諦めずあることを祈ろうと心の中で葛藤していた。

 

無事、携帯は目的の場所で発見!

おじさんも一緒に喜んでくれて、山の辺の道に戻って歩くか最寄りのJRに行くか訊かれたので、もうすっかり歩く気力をなくした私は素直にJRの駅まで送ってもらうことにした。

 

おじさんはそんな私を気の毒がったのか、今の地点から天理に向かうルートは景色がそんなに面白くないこと、桜井方面からだと景色もよくちょうどいい所で戻ったとしきりに励ましてくれた。おじさんが言うには桧原神社から巻向に向かう道が良いらしい。

一度だけ歩いたけど、たしかにゆるやかな傾斜に田畑が広がって、とてもおおらかな雰囲気の場所だったのを思い出す。

頑張って石上神宮までいけるかな?と期待してたけど、今回は崇神天皇陵まででおわり。

それでも龍神神社と出会えたのだから、そしてスマホも帰ってきたのだから、もう十分なんだろう。

 

唐突だけど私は現在喫煙者だ。

駅で緊張から開放されて、思わず喫煙スペースを探し、ちょっと一服…とリラックスしてタバコを吸っていた。

その駅の喫煙所はホーム端ですぐ横が踏切だった。その踏切を車が何回か通る。なんの気なしに車を眺めてると、さきほど踏切を通った車が徐行しながらこっちを眺めてる。

え?喫煙所で吸ってるし…なんだろ?と思ったら、運転手のおじさんが「あの女タバコすっとるわ」と。

呆然としながら「そら女でもタバコ吸うで」と思っていたら、次は自転車にのったおじさんがまたこっちを見てる。

またなんか言われるのか、と思いつつも目が離せないでいたら、そのおじさんは「おいしいやろー」とニヤニヤ笑いながら言ってきた。

自転車に乗ったままで通り過ぎようとしたので、いそいで大声で「おいしいー!」と返事したら、肩を揺らして笑っていた。

 

その時強烈に関西にいる実感が出た。

あーこの距離感、これこれ関西関西!と。

この遠慮ない感じ懐かしい、と。

そしていかに自分が関西から遠く離れて、心も時間もコミュニケーションの感覚もすべてが東京のものになっているのかを、まざまざと感じされられた。

ああ、私は東京の人間になったんだなぁと。

自分にはもう関西の感覚が薄れていってるんだなというのは少しだけ寂しいけど、その土地の感覚に染まってる自分が、なにか不思議なものに思えた。

 

桜井線に乗り天理で降りる。

天理で猛烈にお腹が空き、Rettyで検索してカツ丼が出てきたので、その店に行くことにした。店に入ったらガタイ良い大学生が沢山いてカツ丼屋っぽいなーと思っていたら、盛りがすごかった。

普通でこれだから大盛りならどうなんだろう、あー大学生が沢山いる理由はこれかと納得しつつ、残すのは嫌いなので頑張って食べる。

 

天理では近鉄線に乗り換え。

そして大和西大寺駅に向かう。今回の旅の目的である維新派のアマハラを観るために。

 

音楽で繋がった友達がいる。名前はドロさん。

彼は関西に住んでいて簡単に逢える人ではないが、以前勧めた維新派の大阪公演を見に行ってくれて、それは素敵な感想をブログに書いてくれた。もしできるなら一度ドロさんと一緒に維新派の舞台を観たいと思っていたから、今回実現できてとても嬉しい。

 

ドロさんは携帯をもってないので、待ち合わせはとてもドキドキした。

「駅の伝言板を使う」「公衆電話から電話をかける」案が彼からでたときに、なぜかとても楽しくなってしまい、私のなかでワクワク感が更に上がってしまった。

初めて会う人で、あるかどうかわからない道具を使って会うのってとてもおもしろい。

伝言板も公衆電話も携帯電話が普及する前だと、普通に使われてたものなのに今は存在を確認するのも難しい道具。

それ使うために探すのって楽しい。

 

実際は使わずドロさんが私を見つけてくれたのだけど、その前にあまりに楽しいので駅のコンシェルジュ風なお姉さんに「伝言板ってまだありますか?」と尋ねてしまった。

お姉さんはしばらく困った様子で、今はもうないけど反対側の出口なら…と一緒にさがしてくれそうになったので、丁寧に断った。

ありがとう。

 

維新派の今回の舞台は平城京跡で、大和西大寺駅から歩いて結構な距離がある。

ドロさんと歩きながら色々お話する。

初めて会うのに、不思議と初めて会う気がしないのは、ドロさんのお人柄なのかもしれないけれど、実は大昔会ったことがありますよ、と言われても、ああ!と納得してしまうくらい違和感がなかった。

 

維新派のアマハラについてはここでは書かない。アマハラにまつわる浮かんだ事はドロさんのブログのコメント欄にかこうと思う。

 

舞台が終わった後、維新派に所属している友達と少し話した。ひろこさんに会うのは彼女が大阪に引っ越して以来だから十年ぶりなんだけど、ますますお姉さんに似てなんだかホッとしてしまった。

彼女に「ドロさんときくこさんは雰囲気似てる」といわれ、とっさに実は生き別れの弟でとか冗談を言おうか迷ったけど、なんとなく言わなかった。そして言わなくてよかった。

ドロさんがひろこさんに今回の舞台の事の質問をいくらかぶつけ、おもしろい答えが返ってきて、それを眺めながら、ああドロさんと一緒に観れてほんとに良かったなとつくづく感じた。

楽しい夜だった。

こうやって人とつながるのは楽しいな、と改めて思う夜だった。

 

宿泊は京都にした。

翌日行きたい場所が滋賀だったので、移動しやすいように京都駅近くのゲストハウスにした。そこの門限が10時だったので、ほんとうはまだまだ話たいし、一緒にお酒も飲みたかったけど、後ろ髪惹かれる思いでドロさんを置いてその場から離れた。

 

大和西大寺駅に特急が来たのでそれにすべりこみ、京都に向かう。

特急券を買うとき「禁煙ですか喫煙ですか?」と訊かれ、えっまだ喫煙車両があるの?と興奮し思わず喫煙車両を選んだ。

あまりに楽しいので写真も取りまくり、京都駅からいそいでゲストハウスに向かって、この日は12時に就寝。

 

そして翌日の事は次のブログに書くことにする。 

 
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